Kokone-works

好き放題に、「お酒を飲んだ勢いで」。 サークル活動、はじめました。「ここだけネバーランド」というサークルの主催です。 

旅物語 IV 希望篇 (『傷物語 I 鉄血篇』舞台挨拶レポート)

 

 新年あけましたね。おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。もう半月経っちゃったよ!!!

 去る先週末小旅行に行ってきましたので、レポートをつらつらまとめようかなと思います。

 夜行バスで東京駅下車。ゆったりめの夜行バスで2100円(平日発・間際割ゆえの値段設定。一応満席。元は取れてるのか、添乗員と運転手にきちんと見合った給料がいきわたってるのか。利用する私も私ではあるのですが……)。ちょいと眠みあるぞ。
 少し遅れての初詣は神田明神で。一月八日(先負であると気付いたのは午後を過ぎてからだった)。雲一つない晴れの早朝はやや寒く人影もまばら。まったりな雰囲気の中で、賽銭をほうりこんでぱんぱん。家族と友人が健康でありますように。ファイナルライブが当選しますように。
 ……と思いきや、何やらテレビカメラやスタッフが一斉に入ってきた。妖怪ウォッチの特番収録らしい。
 ケータ君、妖怪の着ぐるみ、そしてスタッフたちが参道をおおいつくす。私はというとその横で絵馬を描いていた。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 新宿に移動して『傷物語 I 鉄血篇』を鑑賞。

 『ドッグヴィル』のような(というよりは『魂狩 -Soul Taker-』から地続きの)舞台演劇調の演出はTVシリーズに引き続き本作でも健在です。極端に少ない登場人物が会話劇を繰り広げる。ストーリーは原作でいうところの忍野登場まで。基本原作通りに進行するが、登場人物のクローズアップ、今後の進行のお膳立てまでで終了。ちょうど原作100ページ目まで。原作ファン(=含む私)には満足だけど、ガチ初見の方には厳しいかもしれない……。ただ地下鉄駅のシーンは、ローアングル、他人の一切の不在(全体これが一貫していて終始不気味な感じがgood)、赤ん坊のアンサンブルですばらしい恐怖感。 撮影機材の関係かマスターデータの関係か、天地と左右にちょっと黒縁が入ってるのは少し気になった。

 

 で、関西の民のクセしてなんで新宿まで見に行ったかというと休みに加え舞台挨拶のチケットが無事にとれたからである:)@新宿バルト9


 しかし、「行った」ってだけでEventernoteとかのステータスにして自慢する(ツイートしてファボをもらう)だけでは、はっきり言って非生産きわまりない。一日無駄にするだけだ。ましてや物書いてて海馬の奥底で朽ち果てさせるレベルだと、本当に行きたかったやつの貴重な一席と時間を完全に無駄にしたことになる。おのれの存在自体がなんら社会参画や貢献を感じさせないただのゴミと化すのである(ガルパン舞台挨拶乞食してた、袂を分かった某氏に届かないかな、この言葉)。てことで以下はレポートを記します。速記とミミズ書きでがんばったよ……。わかるところから埋めてって、前後補完してる感じなので、本人の言と一言一句同じではないところに留意されたし。強調などは筆者によるもの。

 

 高橋祐馬(ゆま)さんが司会。アニプレ映画ではおなじみの御仁。
 「あえて申し上げますが、大変お待たせいたしました」(本来はこの作品、2012年公開予定であったが、ご承知のとおり今年までずれ込んでいる)
 なお、上映終了後に拍手が起きたが、それを聞いていた神谷さんが裏手でガッツポーズをされたらしい。

 

 キャスト登壇。
 登壇順は神谷→坂本→堀江→櫻井(敬称略。以降も同様)の順。
 立ち位置は左から
 ゆま、堀江、神谷、坂本、櫻井 の順。ほっちゃんはお手振りしてくれました。

 ゆま「皆様映画はお楽しみいただけましたでしょうか?」(拍手)

 神谷「本日はお越しいただきありがとうございます。お会いできてうれしいんですが、平日の昼なのになんで来てんだ(笑)」「公開初日なのでうかれますが今日だけにします 。明日から気をひきしめていかないと」
  「ホントに2012年にお届けできてほっとしています(場内爆笑)」「みなさんも僕も気持ちは2012年で時がとまってるでしょうから、心の時計を動かすことができてよかった

 

 坂本(本編を見て)「いろいろすごすぎて何から言えば……」「TVアニメの時はアフレコ時は画がついていなかった。劇場版では半分以上画がついていて、いろんなヒントがあってうれしいなって。でも完成されたものを見ると何段階もブラッシュアップされてた」「自分で演じたことを置いても初めて見るような感覚で見ることができた」

 

 堀江「久々の6時起きでした」「最初の出会い(パンツのくだり)が何ページにもわたり解説されるシーンが見れた!」(観客爆笑→おもしろがってそのまま櫻井さんへ進行させようとするゆまさん。そこを神谷さんがフォロー「化物語のアヴァンがちゃんとした形でみれてよかった」「あの(携帯にメアドと番号登録した)あとの暦の気持ちとシンクロしたのでは」)堀江「友だちができてうかれてるって感じの」「完成したものを夜に一人で見てたら本気で怖くなった(特に駅のシーン)」

 
 櫻井「メメの登場シーン、かっこいいいですね」「試写会で見たんですが、隣が神谷くんだった」「冒頭、呼吸音だけで見られるってすごい。画力もあるけど息遣いでシチュエーションが表現されてる」「凄いもの作ったって気持ち」

 

 神谷「『傷物語』を初めて読ませてもらったのは『化物語』アフレコの最中だったんですが、今回の収録に当たりどういうシーンかを理解するために読むというのはしましたが、今回改めて読み直して記憶を書き換えることはしませんでした」「読み直して「印象を書き換える」のが 怖かった。暦の第一印象をみなさんにも共有してもらいたかったんです。不良っぽいクールな少年みたいな」「みなさんの頭の中で(原作のセリフが)暦の声で再生されるぐらいの「暦回路」とか、話が進むにつれて変態なイメージができあがってるでしょうが、それをリセットしてもらう必要があった。それを念頭に置いてアフレコに臨ませていただいた」「冒頭の息遣いは画がちゃんと芝居してくれてるのでそれを頼りに収録しました」(拍手)「本来だったら一本の映画として作るべきなんですが。新房監督:「冒頭の呼吸シーンは一本だとカットだな」って」

 

 坂本「神谷さんとは別録りになってしまったが、声を聴きながら今までと違うものを感じた」「オーディション時(結果的にのちのシリーズから先に録ることになってしまったが、キスショット=忍役は『傷物語』のオーディションとしてうけていた)、年齢別のキスショットを演じるかたちだった」「TVシリーズでは子供=忍の姿しか演じなかったので、ようやくキスショット本来の姿を演じられたのが感慨深い。続きが楽しみ」

 

 堀江(ゆま「どんな気持ちで演じられたか」という質問に)「(答えるのが)難しいですよね(笑い/神谷「何が?」)いろんな時代になっていくし」「ゴールデンウィークと春休みにスタートするじゃないですか。でもずっと先の時間にとんだりしたので、ここにきて出会いか!って思ったり」(神谷「羽川は(作品全体で)深く物語を描いてるほうだし」)「それを全部やっての「出会いが始まる」ってのは(いいですね)」「羽川には謎な部分がずっとあったので、それを消化してから演じられるのはうれしかった。可愛かった」

 

 櫻井「2011年(笑い)の収録時……鶴岡さんに傷の公開がいつになるか聞いたんですよ。そしたら(→鶴岡「2012年の「16月」じゃないか?」)って」(場内爆笑)「メメってだんだん大人になってきちゃってて(年齢的にはそうなんだけど、いろんなことに気が利くって意味で)」「“バランスがいい人”って意識で収録したらおじいさんみたいになってしまったりとか。そういう深いキャラなんだってことを収録の時に改めて感じました」


 神谷「時間的に早く見たくて最速の試写で鑑賞(櫻井さんの隣で見てた)、凄いものをみたという印象」「化物語を作ってるときに「よくわかんないけどこういう作品なんだ」って。それまで関わってきた作品から『化物語』にたどりついて、アフレコ時になにか新しいものを作ろうとしてるのかなって感じてはいたのですが。で、ゆまさんが「凄いものできちゃった」って」「完パケのDVDで初めて1話を見たとき「なんだこれ?」って感じがした。あの感覚(を味わった)はあの時だけだった」「TVシリーズだと(全77話分、1話からの)土台の積み重ねだが、(最初のエピソードを描いたこの作品では)あの感覚が今回の映画でまた味わえたんじゃないかなって」「声優は目的のない商売。どこが目的地で何をやったら正解なのかわからなくなってしまう。でも今回(『物語シリーズ』を)やってみたら「声優やっててよかった」って思った。今回1作目だから。2作目、3作目とやっていくうちにもっとそう思いたい」

 
 結びの挨拶。登壇順とは逆に。

  櫻井「試写で見てすばらしい体験をした。皆様もその体験を共有いただけたとおもいますので、周りの方にもおすすめしていただければ」

 堀江「ないと思っていたものが(爆笑)映画になってよかった」「本気で怖がれたし面白いと思える作品になっていた」「三本続いていきますので気になるでしょうで、II、IIIができた暁には……ありますよね?」(ゆまさん「必ずお届けしますので!」)堀江「――足を運んで頂ければと思います」

  坂本「舞台挨拶ってキャストを代表してするものなのですが、4人(今回の出演メンバー)全員そろって立てて良かった。私自身何度も確認したくなる、何度も発見のある作品です。しばしお待ちいただければ」

  神谷「TVシリーズ見たことない人って……(一人も手をあげず)」「(時系列で一番最初なので)TVシリーズを見たことない人がいたらおすすめしてください」「その先にシリーズ77話という長い(爆笑)……楽しい時間をお届けできると思いますので」「II,IIIはアフレコ中でして、3本続きますので……どれほどのスパンでお届けできるかわかりませんが(笑)お届けできれば」「三部作すべて完成したら、アニメ史のなかの事件(伝説)になるのではと思いますので、最後までお付き合いいただければ。ありがとうございました!」

(了) 

 

あ、念のため書いておくと、長男と三男がいる(後で気づいた……。さらにまあやも「イヤミつながり」だったw)けど、どうやら場内の九割九分は当然ながら『物語』シリーズのガチファンで埋め尽くされてたぽく、松系のコールは一切なかったです。みんな学校の始業式行ってたのかな。

 

この日この後は新宿の某店でつけ麺(新宿界隈ではかなりうまかった)を食し、海老名に移動してイオンシネマ海老名THXシアターで『スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒』を鑑賞(ここは行く機会があれば足を延ばす価値ありです)→また新宿へ戻り『ガールズ&パンツァー 劇場版』舞台挨拶を鑑賞。→宿へ。

別途こちらもレポートをあげます。

 

(1/18夜、ちょっとだけ読みやすくなるように修正)

2015年ベスト映画

今年は昨年に続き、私ごとが忙しすぎてあんまり映画見られませんでした……。スターウォーズ公開前でだいたいこんな感じ。今年は80本ぐらい見た。

 

1. キングスマン(マシュー・ヴォーン)

2. KANO 1931 海の向こうの甲子園(マー・ジーシアン)

3. ガールズ&パンツァー 劇場版(水島努

4. マッドマックス 怒りのデスロード(ジョージ・ミラー)

5. ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(コーネル・ムッドルッツォ)

6. ジュラシック・ワールド(コリン・トレヴォロウ)

7. BORUTO -NARUTO THE MOVIE-(山下宏幸)

8. ザ・トライヴ(ミロスラヴ・スラボシュビツキー)

9. 22ジャンプストリート(フィル・ロード/クリストファー・ミラー)

10. 幕が上がる(本広克行

11. インサイド・ヘッド(ピート・ドクター)

12. Song Of The Sea(トム・ムーア)

13. ゴーン・ガール(デヴィッド・フィンチャー

14. 劇場版 PSYCHO-PASS(塩谷直義)

15. 劇場版 蒼き鋼のアルペジオDC Cadenza(岸誠二

16. 味園ユニバース(山下敦弘)or 百日紅 Miss Hokusai(原恵一

17. 心が叫びたがってるんだ(長井友雪)

18. ミュータント・タートルズジョナサン・リーベスマン

19. ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション(クリストファー・マッカリー

20. アントマン(ペイトン・リード[※エドガー・ライトのメスが相当入ってる可能性大]) or グリーン・インフェルノイーライ・ロス

 

ただ、本決まりでなく忘れてる映画もたくさんあるので変動するかも。その時はまた新しく記事立てます。

※『ヒックとドラゴン2』は昨年のベストに入れたので除外。

 

(追記)

『セッション』(デミアン・チャゼル)入れるの忘れてた……。今年度でいうとだいたい『ザ・トライブ』近辺の位置にあります。

UFO学園の秘密(今掛勇)

 お待ちかね、幸福の科学映画待望の最新作。 ひっさびさの更新がこれかよ! これなんです。

 

 さて、最初に言っておきます。あなたがもしこう思ったとする。2時間ちょっとの映画を1800円の木戸銭払って見たい?なら、隣近所でやってる『キングスマン』に行きましょう。頭にチップが埋め込まれる映画なら断然あっちのが面白いです。

 学園もののアニメが見たい?なら『心が叫びたがってるんだ。』『リトルウィッチアカデミア』もやってます。タダ券をいただいた?なら、差し上げてもらった人には申し訳なくとも、金券ショップに持ってって換金したぶんで缶コーヒー買って飲むのが一番有意義です。

 というわけで覚書き。酒飲みながら書いてるのでいろいろおかしい部分あるかもです。

(追記)なお、宇宙人に関する設定は幸福の科学独自のもので、非常に説明がめんどくさいものなのですが、これは「破壊屋」さんというサイトがだいぶ前にくわしく解説してくださっていたので無断転載させていただきます。

hakaiya.com

 今回、一応画面の細々から、キャラデザはもろに『あの花』、キャラの目の書き方や影の処理の仕方やエフェクトは京都アニメーション作品を意識しているのがわかるもので、実際シャツの袖をブレザーの隙間から引っ張るとか、体育館で学祭の出し物やってる時のけだるそーなあの感じとかざわざわ感とか、京アニがやりそうな動作をやってる箇所があって、そこは感心しました。ちゃんとマーケティングしてるってことだもんね。

 ……んだけど、これ、それ以外は本当に退屈なんだよなあ。

 

キャラデはこんな。

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なお、あの花は。

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 まあ、UFO学園のポスターのほうの、センターがじんたん、ロンゲがぽっぽ、茶髪がゆきあつ、ストレートヘアがつるこ、残った灰色の髪の毛があなるみたいな感じ。めんまは?……ご安心を。本編にちゃんと出てきます。 

 申し訳ないけど、キャラの名前を忘れたので、以下『あの花』の超平和バスターズのキャラにあてはめて書きます。

 

 じんたん、ゆきあつ、ぽっぽ、鶴子、あなるの5人からなる超平和バスターズは、あなるの妹のめんまの体調異変をアナキン・スカイウォーカー浪川大輔声の人)が、医療現場にでてくるものとは程遠い言葉をつぶやきながら診察した現場に立ち会ったのをきっかけに、ぽっぽの(アニメ雑誌と隠されたエロ漫画・エロゲにかこまれた)秘密基地部室で、間近にひかえる班の研究発表の題材に、宇宙人を主題として研究を始める。という話。

 で、そのあとアナキンが学校の講堂で演説を始めるのだけど、フィボナッチ数列や五芒星で黄金比について話しているところに占星術ネタがしれっと混じる。 

 序盤、いきなりなんの脈絡もなく、屋外の原っぱでじんたんとゆきあつが二人寝っころがって星を見上げるBLなシーンがはじまるんだけど、そこで将来の夢とか語り始めるんだよね。するとじんたん「自衛官になろーかな。自分の国くらい自分で守れねーと」とかいきなり右翼的な発言を始めるのだ。間髪入れずにゆきあつ「じゃあ俺はUFO作るわ。それで特攻だな(大意)」みたいな会話を始める。おい。 

 そうこうしていると、ゆきあつが寮の付近で怪しい人影を察知。ビデオカメラ片手に怪しい人たちを追いかけて、なんか成り行きでUFOに吸い込まれる。

 で、超平和バスターズが研究発表の準備を進めている教室へあっさり戻ってくるとそれを超平和バスターズに報告し、「ワープするときあの世を通るんだぜ」とかいう幸福の科学流トンデモ理論をつらつら述べると、超平和バスターズはそれをもとに研究成果をかためていく。

 しかし、研究発表でのプレゼン前に学園内に忍び込んだ敵にデータを消去されてしまい(ノートPCのHDDにそのまま保存していた描写あり。「プロ」発言までしているわけだけどバックアップ以前にパスワードどうなってんだよ!)、研究発表時に資料がなく、誰にも信じてもらえない。プレゼンを見ていた校長先生は激怒して壇上に。どうする……

 そのとき、ビデオカメラの伏線を無視して宇宙人に校長先生とじんたんをさらわせるのである。ちなみにあのビデオカメラは今後一切顧みられることはない。

 さらわれたじんたんは月の石(21世紀チルドレンへの配慮として校長先生「1970年に大阪万博で見たのと同じ奴だ」という説明台詞つき)をもらい、それを超平和バスターズの部室へ持っていくのだけど、「こんなものもってるのNASAか博物館ぐらいだ」とぽっぽに言わせておきながら、そんな大事なものを保存してるのが道具箱+缶の中!しかも鍵をかけずに!で、案の定誰かに盗まれる。アホか!!!!!! で、疑心暗鬼に陥る超平和バスターズ。いきなり「私がやったのよ!宇宙人に洗脳されたから!」とか言い出し泣き出してそのまま行方不明になるめんま。これにくらべれば成瀬順なんてメンヘラどころか全然マトモすぎる。 

 

 まあ1日で仲直りするんですが(ぶっちゃけ本編ではだいたい5分で元通りの仲になっている。関係の修復に5年近くかかった本家超平和バスターズェ……)で、アナキンの助力で宇宙人とコンタクトとろうぜ、という流れになるのですが、これが何の障害もなくあっさり成功する(これシナリオ的に問題だよなあ。普通に序盤の診察シーンあたりで「交信が難しくてね」ぽい台詞ひとこと言わせて伏線張っておけばよかったのに)。

 

 そこで超平和バスターズはどっかの宇宙船に移動させられる。そこでぽっぽ(アニヲタである)がジャージャービンクスみたいな言動を繰り返すハエ(ウンモ星人とかいうらしい)に「ミーはユーがエロアニメや同人誌でせんずりこいてるところとか観察してたの」(意訳)って言われてキレるシーンは本作で一番おもしろかった部分。

 というか、品行方正のつもりかしらんけど、登場人物の発言が萌えアニメより不自然なものが多すぎる。キモとか死ねとか悪い言葉ふつうに使えばいいのに「変ねー」とかで済ませたり、相手をバカにするときに「ワレワレハ宇宙人ダ」とかいう懐かしギャグ使う感じ)で、このジャージャー、「私も日本のアニメが大好きなんです」って言っておどおどした挙動をとりまくるという、オタクを戯画したキャラクターになっている。(まあさんざんオタクに自分たちのアニメボロクソに言われてるわけだから気持ちはわからんでもない) 

 そして訪れる幸福の科学映画でおなじみの説法シーン。一応あるにはあるのだけど、前作までみたく子安武人今回は未出演。何故!?)に長時間演説させる芸のない行為から、一転して登場人物の子供の姿にいろいろ言わせるという、ちょっとした工夫がみられるんだけど、それがなんか自分たちのいる場所がバッヂに触れる聖水をぽたりと地面にたらすとさまざまに情景が変わるという、今年最低の映画『トゥモローランド』を思わせるシーンで、逆にいらっと来てしまった……。

 

 で超平和バスターズが説法の後に自分が何をやりたいかって語り出す(あの花のラストみたいな展開になる)んだけど、あなるが宗教の勉強をしたい、つるこが映画を撮りたい、ぽっぽが教師になりたい(「おもしろいキャラ持ってるやつを世界中に発信したい」っておっしゃいますがあなた絶対幼女目当てうわなにをするやm)、とか幸福の科学が手を出してる部分のメタ的な言及を行いはじめたときは困惑してしまった。で、じんたん「この星をまもれるなら命だって惜しくない」と前半の特攻賛美から何も変化しないメンタルをもう一度あらわにする。だが批判してくれませぬように。大川隆法に全てを捧げて死ぬというのは、この上ない幸福の科学映画の理想の主人公像なのです。

 

 で、まあ紆余曲折あって悪玉UFOと宇宙人の襲撃があって、ようやくこれまでのすごくのっぺりした展開からスペクタクルシーンに変わるのか!と思わせてくれるまではよかったのだけど……(また悪玉宇宙人のUFOがトゲトゲした、悪玉ですよーってまるわかりな……。ちなみにこれ、エフェクトのかけ方とか、ちょっと劇団イヌカレーオマージュが入ってました)。

 ちなみに敵が校庭でアジってるときの旗が京大にあるような学生運動の共産系の表記なのはお察し……。ストレートすぎる。

 そこにみんなが集まって「私は大事なことを学びました」とか一人ずつ敵の前に出てこぞって言い出すわけですが、そこで最初の用務員だった男が実は宇宙人でした、という予想通りの展開になって、「この国を中国に売り渡してアメリカに戦争を仕掛けるんだー」と言う。

 

 すると、超平和バスターズいきなり別世界に閉じ込められる。そしてそこで敵に囲まれると、なんの伏線もなくじんたんがいきなりデビルマンになる。……いや、マジなんです。

 デビルマンの力といきなりなんの脈絡もなく宇宙人に変身した教師の力と大川隆法への祈りで現実世界へとなんとか脱出。

 で、このオチがこのあとどうなるのかと思ったら「みんなで大川隆法に祈ればなんとかなるでしょ」で、本当にそうなってしまうのである。で、宇宙人が「まさか学園内に善玉宇宙人が忍び込んでたなんて―」ってあっさり敗北して捨て台詞吐いて逃げる。

 ゆきあつ「アナキン教授、宇宙人だったんですか!?」 アナキン「人間風情の技術で幽体離脱装置なんてつくれるわけがないだろ」(大意) で、角の生えた宇宙人とメーテルっぽい宇宙人に超平和バスターズがなんか未来を託されてTHE END。

 

 それで終わりなのかなとおもったら、エンドクレジットが始まる前に、英語タイトルの横に「Part 0」とか出てきて、砂嵐が画面を覆い尽くすと、悪玉宇宙人の親玉っぽい人(中国人……ていうか、モロに習近平なんですが)が「(アメリカ大統領につなげ、)……ニイハオ」と言って終わる。これ『アベンジャーズ』とか『キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー』のオマージュのつもり?それとも本当に次回作はこれの続編でいこうと考えてるのか……。

 

 スタッフ・キャストのメインクレジットは幸福の科学関連施設の名前以外ほぼすべて英語(なんの配慮だよ……)ただし、幸福の科学映画降霊の協賛企業はすべて日本語クレジット。(バックに流れるのはなんと幸福の科学学園校歌フルコーラス。プロダクトプレイスメントで校歌を流すって映画史上初ではないだろうか) そして、何よりもショックだったのがマリエッティが端役でご出演されていたことである。ウサミン星の経済事情がしのばれる。

 

 後日整理するかもです。てゆうか、ちょっと歩けば近くの映画館で『心が叫びたがってるんだ。』も『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』もやっているというのに何を見てるんだ俺……orz あ、この2本はおもしろかったです。『リトルウィッチ~』の限定BD、欲しかったけど初日行けずに買い逃してヤフオクで相場2万になってるのを指をくわえて眺めてるよ……。この文章をしたためるガソリンはそれなのか……?

 

ところで後から気づいたけど、これ『ペギー・スー』からプロットいただいたやつじゃねーのか……?

 

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)

 

 

忘備録

いろいろ映画を見たものの忘れそうなので数行ほどの感想を。

『テッド2』(セス・マクファーレン)

あれ?おもしろい。 テッドと前作のラストでアナルセックスしてたタミの二人結婚したはいいけど低所得+倦怠期突入で夫婦喧嘩。テッドは子供つくってやりなおそうと画策するも、ヨメさんが薬のやりすぎで子供産めない身体になっちゃった。……てなもんで養子をとろうと考えたものの、テッドが政府から「人」として見なされずかかる職も権利も剥奪されて、サンダー・バディ・ジョンと新任のブロンド弁護士とともに政府と戦うことになる……という話。「人はいかにして人たりえるのか」という『火の鳥』のロビタ的なテーマ(本来コメディとの親和性がかなり低い)がメイン・プロット。前作と同じに『素晴らしき哉、人生!』を見ておくといいかもです。しかしブロンド娘って全っ然映画見てねー(ただしスーパーマンだけ知っている)、とか、低所得者へのドライな対応とか、PC破壊やコミコン荒らしとか、対象物への怨恨がすさまじいです。あとこれ、日本で当たったのはクマのぬいぐるみのインパクトもさることながら登場人物が『ドラえもん』のキャラクターイメージと重なったからだと思うのですがどうでしょう。ちなみにあのパパが○○を買いに来るシーンは笑いました。

 

『劇場版 弱虫ペダル』(鍋島修

何故か作為的に貸切状態の新幹線で、インハイ編で総北に負けたメンバーが次々と顔合わせするシーンは笑えたんですが、レースで箱学メンバー以外適当に処理されていくので残念(90分ないんで仕方ないでしょう)。原作の坂道と巻島の離別を差し挟みつつ物語は進行、しかし離別は原作(とTVアニメ)の今後にかかわる一番大事なエピソードなのになあ。たとえテレビアニメでやることを捨ててでも、巻島と坂道の別れをクローズアップして描くべきだったかもしれない。どうせこの部分今回やったならテレビの続きでは飛ばされるだろうし、テレ東もスポンサーなんだから3期前に放送とかでもいいじゃないすか。 原作では確かに巻島の依存から立ち直るまでにかなりの時間を有するのですが、この点「原作通り」を意識しすぎてると思います。TVシリーズでも構成をつとめておられる吉田玲子先生、このてのジャンルがすごい巧い人なんだから、『ARIA』『けいおん!』ぐらい思い切って脚色してしまってもよかったのになあ。映画としては、坂道自身の問題が解決していないからどうもしっくりこないんだよね。どうでもいいかもですがこの映画のおかげか神楽坂ゆか2ndコンサートで「恋のヒメヒメぺったんこ」(アニメ版)歌唱。ありがとうございました。>ゆかたんと関係者一同・ペダルスタッフキャストの皆様。 なお、私は真波君が好きなので個人的にこの劇場版眼福でありました。

 

 『ひつじのショーン バック・トゥ・ホーム』(マーク・バートン/リチャード・スターザック

TVシリーズ未見のまま(というか、やってたことを知らないまま)、アードマンの新作アニメということで劇場へ。登場人物たちがその表情と身振り手振りで状況を示すサイレント活劇なので見ててひたすら楽しい映画でした。エンドロール後の「おわりやから帰ってええよ」とスマホで笑う。

 

『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』(山下宏幸)

岸本先生をはじめとするメインスタッフ、「映画」のストーリーテリングと脚本に関して相当綿密な勉強をして書いていらっしゃる。テーマ自体はジャンプ三大原則(努力・友情・勝利)賛歌で、近年のラノベやネット小説(ハーレムとか状況説明がタイトルになってるほとんどのもの)に代表されるどうしようもないゴミみたいなストーリーテリングの跋扈に対する回答でもあったかもしれない。忍術を使うと敵に能力を吸収されるという設定を活かして体術で戦うシーンが多くを占めるのですが、なんとここのアクション作画、あの133話のアクションシーンを描き上げたスーパーアニメーター松本憲生御大が絵コンテ・演出・作監まで手掛けリミッター解除しての大暴れ。これだけで入場料金のもとがとれるどころかおつりがくるレベル。今年のアニメ映画のベスト3に入ります。


Norio Matsumoto(松本 憲生) NARUTO MAD - YouTube

 

進撃の巨人 ワールド・オブ・エンド』(樋口真嗣

 爆弾が爆発する話、とあれば、あとは炎の手練れ、樋口監督・尾上特技監督の独断場。歌舞伎の外連味。これが見たかった。……と求めているものがそれだけだったので自分は満足しています。進撃の巨人の実写版であるとか、お話とか、それ以外の善し悪しはじつはどうでもよかったりしています。ただ、今回のラスボス倒せばいいんでしょ、という流れは強引過ぎたかもしれない。あといきなりシキシマが[実写版エレンの生き別れの兄(ターザンやってた)]って設定になってるのはなあ……ここはドラマとして大事な部分だったろうし、なればこそ中盤の離反だって盛り上がったでしょうで、せめて前篇に伏線を仕掛けてほしかった(これ、言及はされてないけど設定・描写的にそうなってます)。

 

『ピクセル』(クリス・コロンバス

 ダメ男たちが宇宙人とゲームで勝負!という『ゴーストバスターズ』みたいなくっだらない他愛もない馬鹿話。最高。80年代生まれではないので映画内のポップカルチャーには完全に疎いのですが、ゲーム自体は大好きなので、楽しかったです。これオタクがリアルに描かれてて、たとえば歯磨きしない、コミュ障、吃音陰謀論大好き、二次元に恋する男……etc。僕は当事者(歯磨きと風呂は欠かさないけど)なのですが、おかげか一歩ひいた目線で生暖かく見られておもしろかったです。カルチャーギャップとしての悲しさに、「もうCoD(よく覚えてないので間違いの場合はご指摘を)は古いゲームだ」。アーケードはもはやゲームではなかったのか(まあ僕の時代でもアーケード版ドンキーコングは64版、パックマンはPS版で初めて遊んだしなあ)……。

ラブライブ!The School Idol Movie(京極尚彦)

(9/2 前半に一部・後半追記及び名称のミスを修正しました。失礼いたしました。)

※この劇場版を神とあがめる方はこの記事をそっ閉じされることをお勧めします。今回はかなり酷評しています。念のため私の身の上を説明しておくと、TVシリーズ1期をリアルタイム視聴してるうちにラブライブ!にはまっていった人間で、本作はつごう12枚前売を買う程度に楽しみに待ち、4th以降のライブに参戦し、この記事を書いてなお、6thを心の底から楽しみにしている『ラブライブ!』、μ’sファンです(いろいろ兼任はしてるけど)。そのうえで、いや、だからこそ書きます。国内全ての映画評論家が、興収30億にとどきそうと言われている作品であるにもかかわらず本作に見向きもしない態度を取ることを選択した以上、書かざるを得ないでしょう。出来に関してもそうだけど、世間での態度が「ラブライバー/アニオタってキモチワルイ」というバイアスがかかった状況から、評す側も評される側もなにもしようとしない人々ばかりって状況が悲しい。この文章をしたためるための燃料はそれだ。『エピソードI,II,III』を見た後の気持ちがまたぶり返すとはおもわなかった。 

もうさんざ配られた特典もほぼ終了してますし、その特典の回収もラブライバーの皆さんは大方すんだろうし、『ラブライブ!』を知らない人で「今からこれを見よう」と思う人もいなさそうだし、もうこれ以上ネタバレに配慮する必要はなさそうなのでいろいろと書きます。何度かわけるかも。

9/4 続きを読むを押すと開く仕様にしました。

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キングスマン(マシュー・ヴォーン)※9/11公開 ネタバレ注意

すばらしい。 ● おおよそ誰もかれもが、子供のころに読んだ漫画(私はコロコロ世代なのですが、『Bビーダマン』とかドラえもんの『南海大冒険』とか原恵一監督の『クレしん』映画)に感化されて、自宅の地下や、南の島の山の中(あるいはバミューダトライアングルの真ん中とか海底とか南極の真ん中)に秘密基地の建造を想像し、自由帳に描いたはずである。 ● たとえば、木造のコテージがあって、中に入ると暖炉や書斎の裏に秘密の階段があって、そこをくだると踊り場と行き止まりしかないが、どこかにエレベーターの隠しボタンがある。それをポチッと押すと、部屋のエレベーターが下へ、下へと動く。そのうち木の壁がコンクリ張りのものに変わり、地下に降りると岩肌と鉄筋にかこまれた、『レイダース』の倉庫もかくやの超巨大空間がぐわんと広がっている。巨大コンピューターのサーバーもかねた巨大な円筒が中央にそびえたち、飛行機、潜水艦、種々様々な乗り物が並び、秘密の研究をしていたり、おいしいもの食べたり、テレビゲームしたり、世界を飛び回ったりしている。もちろんスパイ活動もしていて、指令を受け取るのはきまってジャグジーに浸かっているときである(オイ) ● で、最近のスパイ映画が『5代目007』シリーズや『ダークナイト』『ボーン』『24』シリーズの大ヒットでポリティカル・サスペンス寄りの作品が多くしめる中、この『キングスマン』は、私の、いやみんなの子供のころの楽しかった夢想が強調して描かれた、久々のスパイ映画でした。(そんな映画は『チーム・アメリカ』『アイアンマン』以来です。なお、左作同様にキングスマンは毒入りの映画です) ● いや、テーラー店の試着室がまるまる巨大エレベーターになってて、地下に降りると『空飛ぶゆうれい船』にでてくるような動く椅子とチューブがあるんですよ。それに乗ったらすごい速さでキングスマンの秘密基地へ向かう、というのがあって、これ、かつてのロジャー・ムーア路線の『007』のパロディのはずなのになんかわくわくしちゃってさあ。そういうのが好きな人には、無条件でお勧めします。『レイヤー・ケーキ』から『X-MEN ファーストジェネレーション』に至るまで作中にその偏愛の片鱗を作品のなかににじませてきたマシュー・ヴォーンがついに撮りあげたスパイ映画。『オースティンパワーズ』とかで旧ボンド映画の面影を追っかけてきたり、原恵一クレしん』のジャケットを見るだけでコメディとわかっていてもアンテナが反応してしまような諸兄がたにとっては必見の傑作。(以下、ネタバレありです。封切りまで間があるので、続きはゆっくり追記していきます)

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C88お疲れ様でした

今回の頒布物『八神家のペットなドラゴン Re:take ver.』ですが、持って行った冊数分、完売いたしました。ありがとうございました。冬コミで追加増刷して持っていこうかと考えています。

 

あと冬コミの申し込みも完了しました。次は新刊オフセット印刷で出せればなあと思います……。