Kokone-works

好き放題に、「お酒を飲んだ勢いで」。 サークル活動、はじめました。「ここだけネバーランド」というサークルの主催です。 

劇場版501(ビーバップみのる) ※R18

 久々の投稿ですが、このタイトル『501』は「第501統合戦闘航空団=通称:ストライクウィッチーズ」とは何の関係もありません。先方は502:ブレイブウィッチーズに世代交代しますから……(劇場版の再結成云々は回収されるのかって話はさておき)。

 

 ハマジム最新作AVの劇場編集版『劇場版501』を鑑賞しましたので、ひとまず覚書(filmarksにも登録されてないや…… 追記:登録されていたのを見落としてました)『テレクラキャノンボール2013』で一番身体張ってたであろうビーバップみのる氏が監督。

 

 まずはビーバップみのるの独白から始まる。何故、AVディレクターになったのか。「楽して金稼げるから」

 ある日、『テレクラキャノンボール2013』撮影後。AV女優・霜月るなちゃんが「有名になりたい」とハマジムの事務所にやってくる。みのるは「面白いAVが取りたい」と引き受ける。

 みのるは「有名になれる方法」と「面白い」を突き詰め、これまでの顔射歴代最多とされる500発という記録に目をつける。「記録は残念ながらいつか塗り替えられてしまうものである」が、そこにラスト1回豚の精子で顔射を、という『501』というビデオの撮影企画が浮上する。撮影期間は3日間。

 まずはるなにナンパをさせるが、誰にも相手にされず、開始からしばらくして挫折。取材・会議のため、みのるはるなとともに大阪帰りに同行する。

 「学校を中退してAV女優になった」。そう身の上を明かしたるなの自宅は、家賃月20万円の高級マンションだった。

 みのるはるなに「好きな映画は?」と聞く。「『プリティーウーマン』」

「俺は『ロッキー』が好きだ」

 『ロッキー』のDVDを見ながら「スタローンは仕事がなくてAV男優をやっていた、その中で一発念起してこの映画を作った」という、ロッキーにまつわる話を始める。

 あの『テレクラキャノンボール2013』のコピーのノリそのままに、「誰もやった事ないことじゃないと、有名にはなれない」とみのるは言う(台詞まちがってたらごめんなさい)。

 みのるとるなの間に見解の相違が深まっていった。そして、みのるはるなの自宅を去り(追い出され)、大阪の夜の街を一人歩くことに(ナンパは忘れない)。

 翌朝、女の子からtwitterのDMが届く。「一晩考えたけど、無理です」という内容だった。

 かくして『501』の企画は頓挫し、みのるはとぼとぼ東京に帰る。撮影期間の3日間は終わりを告げた。

 

 だが、みのるは撮影を続行した。

 

(ここから想像もつかない方向へ話が転がっていきます。気が向いたらあらすじの続きかきます)

 

感想

 『ロッキー』を作りたいと言ってた監督がたどり着いたのがパゾリーニ『豚小屋』のような(直喩)やばすぎる映画でいろいろ言葉を失った。食事で食べかけのカツ丼を映すシーンや彼女との口論シーンに代表されるように自分の駄目さを前面に出してしたり、過去を悔やんでみたり、脱サラしたデリヘルカップルの離婚とか結構おセンチな仕上がりになっている一方で、クロノスとカイロスの引用を行って作中に編集で反映させてみたり(特に最後のお婆さんの女優は白眉)、ものすごい勢いのある作品に仕上がっていておもしろいです。

 いつものハマジム作品同様、「ヌキ」につかえるものでは決してないし、みのるの勝利欲は女の子が(特にるなちゃんに感情移入してる人は男でも)見たら間違いなく激怒するものでしょう。でも僕は買います。この狂気……もとい心意気。僕は映画館出た後「こんな底辺で何してんだろうな」って考えてしまった。

 ちなみにこの『劇場版501』、公開初日から何度も何度もみのる監督自身が編集を重ねているらしく、僕が見たのは元町映画館の5/6上映ver.でした。ご本人にお会いしなくてよかったかも。たぶん「あの後彼女とどうなったんですか」って聞いてしまってたかもしれないから。

大阪・兵庫圏の4DX事情

(2/23/12:21 追記)

まえがき

 本稿は管理人が4DX劇場を見て回った雑感をまとめたものです。ただし、まだすべての劇場を行脚できているわけではないので、適宜追記いたします。

 

本文

 2013年6月あたりに、4DXと呼ばれる上映方式が日本・名古屋に上陸いたしました。こけら落としは『アイアンマン3』でした。そして、その年の8月。『パシフィック・リム』の上映が開始。名古屋の奥地にある施設(名古屋駅から地下鉄とバスの乗り継ぎで1時間弱かかる場所にある)にもかかわらず、各地からファンが集結。満席完売が連日続出し、この方式は一躍ブレイクを果たすこととなります。のちに館数が全国的に増加し、アニメ番組も催され、そちらでは平和島で上映された『劇場版 進撃の巨人 前後編』で認知されるはこびになります(幕間に『ドラゴンボール』二作があったけどあっちはあんまし入ってた印象がない)。

 

 効果としては、

・Motion(モーション。イスが上下左右に動く)

・Water(水。座席手前の噴射口からスプレーのように水が飛び出る)

Air(エアー。座席の頭の部分からプシューっと出るアレ)

・Scents(におい。ただし実感としてはたいていアロマ系)

・Bubbles(泡。劇場の――基本前方の――天井からシャボン玉がおちてくる)

・ Fog(煙。劇場前方下側の機械からけむりが飛び出る)

・Rain(雨。基本映画の雨のシーンで天井から降ってくる。びしょ濡れになるラインではないので大丈夫とは思うけど端末の持ち込みは控えたほうがいい)

・Snow(雪。現状管理人は未体験。)

・Wind(風。その通り天井の装置から劇場内に風が流れる)

・Lightning(発光。パニックシーンなどでフラッシュがパチパチと光る)

 

 ついで別のライド方式としてMX4DがTOHOシネマズに設置されましたが、本稿ではMX4Dは無視して4DXに集中して語ろうと思います。本稿を立ち上げる最大の目的たる『ガールズ&バンツァー 劇場版』の上映方式が4DXのみであるからです。さて、初週末は軒並み完売だそうで畏れ入りました。(追記:興行通信社の2/23付週末興収ランキングで、前週24位→8位にランクアップ)

 

 さて、全国には(2016/2/19現在)33の4DX劇場の点在が確認されております。

 

 うち、大阪・兵庫圏では以下の劇場に4DXが設置されているとのことです。

アースシネマズ姫路 4DX(収容:97席/スクリーンサイズ:未公表/音響:デジタル7.1ch)  

イオンシネマ四条畷 シアター1(収容:108席/スクリーンサイズ:未公表/音響:未公表)

109シネマズ大阪エキスポシティ シアター4(収容:52席/スクリーンサイズ:未公表/音響:未公表) 

シネプレックス枚方 No.6スクリーン(収容:112人/スクリーンサイズ:13.3 x 5.6m/音響:5.1ch・HDCS)

 

 ちょっと足を運べば、

ユナイテッドシネマ橿原(奈良県)(収容:96人/スクリーンサイズ:11.1 x 5.8m/音響:5.1ch)

 にもあるらしい。

 

 まずは共通事項。大事なことなのに意外とどこにも記されていない。

 

1.ポップコーン、ドリンクの持ち込みは推奨できない。

 ほぼひっきりなしに椅子が動くため、悲しいことに飲み食いに手をのばす暇がないんですよ。ドリンクホルダーが両肘についてるけど、はっきりいって気休めだったりします。

 

2.手荷物を預けるロッカーあり。ただし100円返却式なので100円玉が最低一枚必要。

 ほぼひっきりなしに椅子が動くため、あとエフェクトで水が飛んでくるため、外に荷物を保管しておく必要があります。そのため4DX劇場のすぐそばにはロッカーが常備されている。

 ただし、全部で30~40口ちょっとぐらいしかない。4DXの座席は100前後。つまり「1口1グループでつかってね」ってことですね。みんなで仲良く仕分けしましょう。

 100円玉がないときは両替してはもらえますが、複数行脚して見るに劇場係員もそんなに100円玉じゃらじゃら常備してる感じではなさそうなので、可能な限り用意された方がいいです。あと、お金が一銭もないと預けられません。自己責任で、荷物汚れる破損するの覚悟で劇場持込みを余儀なくされます。

 基本手荷物を預ける用(大都市の300~400円サイズぐらい、あるいはもうちょっと小さめの大きさ)なのでキャリーバッグとかは入らないです。大荷物は素直に係員に相談してあずかってもらうなりしましょう。

 

 このくらい。

 

 さて、そんな折に、何館か行脚してみての雑感をつらつら書き連ねていこうと思います。ただ、管理人は大画面派の重低音派なので、そこはご容赦ください。(立川には当然行ってます。塚口はホームグラウンドです)

 

・アースシネマズ姫路

 ここでは『ジュラシック・ワールド』を見た。エフェクトの効果は結構いい感じ(ただ、バブルが出てたかは曖昧。雨や雪は作中に出てこないので確認できず)。音の良さに関しては四条畷より上かも。スクリーンサイズなんですが、これは普通のシネコンの150~200席級の劇場(高さ3~5m)を想定してもらうといいかも。音は結構高音やバスが幅広く効いてていい感じ。立地は姫路駅から歩いて5分と良物件。ただ、梅田からは遠い。

 

イオンシネマ四条畷

 ここでは『パシフィック・リム』を見た。なんとスクリーンが天地いっぱいにひろがってる仕様(画角はビスタサイズ基準)。イオンシネマ風に言うとULTIRAみたいな感じです。これは贅沢。ただ、それに比して若干音が小さい印象。普通のシネコンならアベレージと思いますがこのサイズで物足りないってのはIMAXに慣らされたんだろうなと。エフェクトの効果はおそらく姫路とどっこい。(匂いの部分はそこまでって感じで、椅子の動きもそこまで派手じゃない。でもたぶん名古屋で4DX初体験時の感覚が忘れられないやつなのかも)。難点をあげると、期待していた幼少時のマコが襲われるシーンで雪が降らず。ただ、遠い。京阪電車で行く場合、萱島で降りたら命取り。バスが全然ない。寝屋川市で降りるとショッピングモール行きのバス(片道220円)があるので、それに乗りましょう。

 

・109シネマズ大阪エキスポシティ

 ここでは『スター・ウォーズ』を見……る予定だった。でもチケットが全然取れない。『ガルパン』はなお取れない。未体験ゾーン。退いたら道はなくなるので、見たら書きます。立地は梅田からだと大阪市営地下鉄で新大阪方面へ乗って「千里中央」まで出る→大阪モノレールの「万博記念公園前」で降りて歩いてすぐ/もしくはJRで茨木まで行ってバスに乗り換えて。の物件。ただ52席しかないのがつらい。ただ4DXにあぶれたからと途方に暮れてはいけない。ここには本来のアス比で見られるレーザーIMAXがある。日本で唯一本物の『エピソード7』が見られる会場である。

 

シネプレックス枚方

 未体験ゾーン。見たら書きます。

(2016/02/23/12:31追記)『ガルパン』をここで見た。なんとロッカー不足(1人客多いタイプの作品だからね、仕方ないね)で係員が札式で手荷物をあずかってくれた。最前部が通路をへだたり1列あり、そこ――ちょうど名古屋は中川コロナワールドの4DXシアターで普通の座椅子が置かれている部分。映画館で言うとTOHOなんばの1番スクリーンの前2列目みたいな部分――までもが4DXの椅子になっていて、なんとここでは機械から出てくるバブルとフォグをダイレクトに身体でうけとめることとなる。ということで過激派の人にはここの最前、おすすめです。ただし、地下鉄/JR環状線京阪電車→バスの乗り継ぎで梅田から1時間はかかる。あとさりげに平日日中はバス(片道220円)の本数が少ないので注意。

 

他地域まで手を伸ばすほど余裕がないので、あとの4DX施設に関しましてはほかの皆様におまかせします。(ただし、行脚に際しては平和島には『進撃の巨人』と『ガーディアンズオブギャラクシー』を見に行った。ここでしかやってなかったし)

旅物語 V 逆襲篇(スターウォーズ エピソード7 劇場行脚まとめ)

遅れてきた続きです。

 

1月アタマの小旅行のもうひとつの目的が、『スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒』を目星をつけた劇場で鑑賞することでありました。

 

スター・ウォーズ』は、シリーズごとに劇場がさまざまな設備を新たに投入する流れが確立されていました。エピソード6のTHXや、エピソード1のドルビーデジタルサラウンドEX、DLP上映などがそうでしたね。

この新たなる三部作も多例にもれず。しかし今までとはちょっと流れが変わり、劇場独自の規格が多様化しているという流れがあります(画面サイズに関してはTOHOシネマズのTCXや、イオンシネマ系列ULTIRAなど。音声に関してもDOLBY-ATMOSやaeroサウンドシステムetc.、のみならず、立川シネマシティが極上音響上映/極上爆音上映という劇場独自のシステムを確立させてしまいました。一方でDATASATは未輸入で、DOLBY SURROUND7.1CHは事実上の凍結とか、やや複雑なお家事情がある。)

 

なので、旅行記というよりは、各地で見て回った雑感をここに記す形とします。追記するよー。

 

・大阪エキスポシティ・レーザーIMAX

当然ですが、『スターウォーズ フォースの覚醒』は公開初日に駆けつけた身です。

私が選んだ処女喪失の会場は109シネマズ大阪エキスポシティ・次世代IMAXシアターでした。

私の場合『アナキン三部作』(エピソード1~3)は北野劇場(現:TOHOシネマズ梅田 シアター1)で見ているのですが、そこだと開演が最速18:30から30分遅れて19:00からになってしまう。プレミア上映も行われるだろうし、時差の関係で世界同時上映にもばらつきが生じるだろう。これ以上1秒でも遅れはとれない。大阪エキスポIMAXは18:30同時刻スタート。タイムラグなしで見られるぞ。ということで即断。

また、この次世代IMAXだと、画角が本来のIMAX(1.44:1)仕様なので、完全な情報が提供される天保山サントリーミュージアムIMAXが(不利益排斥の名のもとに橋本を中心とした大阪府により)閉館に追い込まれて以来、デジタルとはいえついに本来のIMAXシアターが復活するのです。感無量というものでしょう。

 

特色としては、ウリにしているだけあって、各地に点在するIMAXデジタルシアターとは似て非なる、完璧な設備をもった劇場であることでしょう。

 

通常のIMAXデジタルシアターだと解像度は2Kで、ときに実写であっても人物や背景の輪郭がカクカクしてるのですが、今回は字幕以外それを感じさせない、高さ18mの大スクリーンに堪えうる4Kの解像度でした。さらに、アスペクト比IMAXデジタルシアターの16:9と違って、こちらはおおよそ1.44:1の伝統に則った比率です。

 

3DフォーマットはIMAXデジタルとは異なり、DOLBY3D。IMAXデジタルシアターよりもやや小さめの眼鏡なので眼鏡オン眼鏡がすこし辛いかもしれませんが、明るさはほとんど損なわれません。料金は前売料金や据え置き分に1000円追加。しかし映画2本分近い入場料の価値は十分にあるでしょう。

 

私は最速上映をここで見たとき、館長さん「そのまま本編から入ります」の一言ののち場内はヒートアップ。ファルコンチェイスのシーンはみんなのけぞりながら見ていましたし、私はというとイスのひじあてをつかんでいました。ベストポジションはやはり劇場中央のエグゼクティブシートかなあ。

 

ただ、その分(PCモニターでシネスコの映画を見るときみたく上下に黒帯が入るので)全角シーンの後だとシネスコサイズでさえ小さく感じてしまうのは難点かもしれない。いや、他の劇場と比べても迫力は段違いなのですが。

 

しかしその難点をはねのける、全角とシネスコパートをいい塩梅で切り替えることで最初から最後まで大画面の迫力が失われない編集が行われた映画が一本ありました。はい、ダークナイトですね。

この映画がIMAXフィルムを用いた撮影を行い、(壁いっぱいに大写しになるジョーカー、トラック縦転、病院爆破に魅せられたものが多数出現し)その後IMAXカメラを用いた撮影がいっきに普及することになりました。

そして悲しいことにこの映画、日本初公開から(たった一度の天保山サントリーミュージアムIMAXシアターで行われた関係者向け試写を除いて)本日に至るまで、国内の客に「完全な形」で披露されたことはソフトリリースも含めてただの一度もありません(画角が16:9であるIMAXデジタルシアターの上映は「完璧」や「本物」ではない)。この機会にどうか、一度でいいので次世代IMAXで、『ダークナイト』を見せてほしいです。

 

長くなりましたが、旅行記に戻り、海老名へ行ったことについて書きましょうかね。

 

イオンシネマ海老名スクリーン7 THXシアター(音響監修・河東努氏)

新宿から海老名駅までは京急線に乗って約1時間。往復にかかる交通費はおよそ1000円。県をまたぎ、神奈川へ。電車内で傷の舞台挨拶レポートをブラッシュアップ。

海老名駅前には様々な設備がそろっていました。しかしながら駅に出るとすぐに目につくビルにはTOHOシネマズ海老名のロゴが。お客さんはあちらに吸い上げられるのかな。

ちょっと歩いて少し古びたイオンの建物の奥へ行くと、元・ワーナーマイカルシネマズ海老名こと、イオンシネマ海老名です。日本で最初にTHXを導入した劇場。行くのは初めてでした。

そこのスクリーン7番がTHXシアターにあたるわけですが、通常のシアターと別の場所に設けられている仕様。他のシアター群とは別に、専用のスペースへ続く階段をのぼり、劇場内へ。

ゆえに立川シネマシティやサンサン劇場シアター4などと同様に、完全に他シアターからの音漏れを防ぐ措置が取られている(たとえば、バルト9のシアター9とか、TOHOなんばとかだと、すぐ隣にスクリーンがある構造なので、隣の部屋のスピーカーから重低音が漏れて聴こえることがある。多くのシネコンで静かなシーンなのに妙な振動ががごおごお響いたりするやつがありますが、あれが重低音漏れ)。

劇場の扉をくぐり、階段をのぼると、目線の高さが銀幕の中央よりちょい下ぐらいの位置に配置された大きなスクリーン。私は前方ブロックのセンター最後尾に着席したのですが、すごい見やすい感じでした。視界がほどよく支配(視野の上下左右ギリギリのところまでスクリーンが広がるように。しかし視界から漏れることはない。感覚としては、今は無き新宿プラザ5列目センターや、TOHO梅田10番スクリーンの前から3列目ど真ん中に近い)され、心地よいです。


音も正直(梅田で天井の鳴りを感じず200円無駄にした)DOLBY-ATMOS以上に、ほどよく伝達される。キンキンうるさすぎず、その一方で迫力を損なわぬスピーカーの音(立川aスタや行きつけならサンサン劇場シアター4の音に近い)。ファルコンチェイスや酒場のシーンの音でそれぞれどんなエンジンが鳴っていて、誰が何を話しているのかよくわかる、良質な音。

総合的に通常劇場の鑑賞環境としては、私が見た中ではベストでした(少なくとも、視野の面に関しては最高。これで追加料金なしなのだからありがたい話)。とはいえ立川の極上爆音に行けてないので、まだベストを決めかねてはいます……。

 

内容ですか?私はもうファンファーレがなれば満足ですし、レイの一挙手一投足でもう後は「何やってもいいよ」って状態でした。彼女にボコボコにされたい。私ボコだから。

旅物語 IV 希望篇 (『傷物語 I 鉄血篇』舞台挨拶レポート)

 

 新年あけましたね。おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。もう半月経っちゃったよ!!!

 去る先週末小旅行に行ってきましたので、レポートをつらつらまとめようかなと思います。

 夜行バスで東京駅下車。ゆったりめの夜行バスで2100円(平日発・間際割ゆえの値段設定。一応満席。元は取れてるのか、添乗員と運転手にきちんと見合った給料がいきわたってるのか。利用する私も私ではあるのですが……)。ちょいと眠みあるぞ。
 少し遅れての初詣は神田明神で。一月八日(先負であると気付いたのは午後を過ぎてからだった)。雲一つない晴れの早朝はやや寒く人影もまばら。まったりな雰囲気の中で、賽銭をほうりこんでぱんぱん。家族と友人が健康でありますように。ファイナルライブが当選しますように。
 ……と思いきや、何やらテレビカメラやスタッフが一斉に入ってきた。妖怪ウォッチの特番収録らしい。
 ケータ君、妖怪の着ぐるみ、そしてスタッフたちが参道をおおいつくす。私はというとその横で絵馬を描いていた。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 新宿に移動して『傷物語 I 鉄血篇』を鑑賞。

 『ドッグヴィル』のような(というよりは『魂狩 -Soul Taker-』から地続きの)舞台演劇調の演出はTVシリーズに引き続き本作でも健在です。極端に少ない登場人物が会話劇を繰り広げる。ストーリーは原作でいうところの忍野登場まで。基本原作通りに進行するが、登場人物のクローズアップ、今後の進行のお膳立てまでで終了。ちょうど原作100ページ目まで。原作ファン(=含む私)には満足だけど、ガチ初見の方には厳しいかもしれない……。ただ地下鉄駅のシーンは、ローアングル、他人の一切の不在(全体これが一貫していて終始不気味な感じがgood)、赤ん坊のアンサンブルですばらしい恐怖感。 撮影機材の関係かマスターデータの関係か、天地と左右にちょっと黒縁が入ってるのは少し気になった。

 

 で、関西の民のクセしてなんで新宿まで見に行ったかというと休みに加え舞台挨拶のチケットが無事にとれたからである:)@新宿バルト9


 しかし、「行った」ってだけでEventernoteとかのステータスにして自慢する(ツイートしてファボをもらう)だけでは、はっきり言って非生産きわまりない。一日無駄にするだけだ。ましてや物書いてて海馬の奥底で朽ち果てさせるレベルだと、本当に行きたかったやつの貴重な一席と時間を完全に無駄にしたことになる。おのれの存在自体がなんら社会参画や貢献を感じさせないただのゴミと化すのである(ガルパン舞台挨拶乞食してた、袂を分かった某氏に届かないかな、この言葉)。てことで以下はレポートを記します。速記とミミズ書きでがんばったよ……。わかるところから埋めてって、前後補完してる感じなので、本人の言と一言一句同じではないところに留意されたし。強調などは筆者によるもの。

 

 高橋祐馬(ゆま)さんが司会。アニプレ映画ではおなじみの御仁。
 「あえて申し上げますが、大変お待たせいたしました」(本来はこの作品、2012年公開予定であったが、ご承知のとおり今年までずれ込んでいる)
 なお、上映終了後に拍手が起きたが、それを聞いていた神谷さんが裏手でガッツポーズをされたらしい。

 

 キャスト登壇。
 登壇順は神谷→坂本→堀江→櫻井(敬称略。以降も同様)の順。
 立ち位置は左から
 ゆま、堀江、神谷、坂本、櫻井 の順。ほっちゃんはお手振りしてくれました。

 ゆま「皆様映画はお楽しみいただけましたでしょうか?」(拍手)

 神谷「本日はお越しいただきありがとうございます。お会いできてうれしいんですが、平日の昼なのになんで来てんだ(笑)」「公開初日なのでうかれますが今日だけにします 。明日から気をひきしめていかないと」
  「ホントに2012年にお届けできてほっとしています(場内爆笑)」「みなさんも僕も気持ちは2012年で時がとまってるでしょうから、心の時計を動かすことができてよかった

 

 坂本(本編を見て)「いろいろすごすぎて何から言えば……」「TVアニメの時はアフレコ時は画がついていなかった。劇場版では半分以上画がついていて、いろんなヒントがあってうれしいなって。でも完成されたものを見ると何段階もブラッシュアップされてた」「自分で演じたことを置いても初めて見るような感覚で見ることができた」

 

 堀江「久々の6時起きでした」「最初の出会い(パンツのくだり)が何ページにもわたり解説されるシーンが見れた!」(観客爆笑→おもしろがってそのまま櫻井さんへ進行させようとするゆまさん。そこを神谷さんがフォロー「化物語のアヴァンがちゃんとした形でみれてよかった」「あの(携帯にメアドと番号登録した)あとの暦の気持ちとシンクロしたのでは」)堀江「友だちができてうかれてるって感じの」「完成したものを夜に一人で見てたら本気で怖くなった(特に駅のシーン)」

 
 櫻井「メメの登場シーン、かっこいいいですね」「試写会で見たんですが、隣が神谷くんだった」「冒頭、呼吸音だけで見られるってすごい。画力もあるけど息遣いでシチュエーションが表現されてる」「凄いもの作ったって気持ち」

 

 神谷「『傷物語』を初めて読ませてもらったのは『化物語』アフレコの最中だったんですが、今回の収録に当たりどういうシーンかを理解するために読むというのはしましたが、今回改めて読み直して記憶を書き換えることはしませんでした」「読み直して「印象を書き換える」のが 怖かった。暦の第一印象をみなさんにも共有してもらいたかったんです。不良っぽいクールな少年みたいな」「みなさんの頭の中で(原作のセリフが)暦の声で再生されるぐらいの「暦回路」とか、話が進むにつれて変態なイメージができあがってるでしょうが、それをリセットしてもらう必要があった。それを念頭に置いてアフレコに臨ませていただいた」「冒頭の息遣いは画がちゃんと芝居してくれてるのでそれを頼りに収録しました」(拍手)「本来だったら一本の映画として作るべきなんですが。新房監督:「冒頭の呼吸シーンは一本だとカットだな」って」

 

 坂本「神谷さんとは別録りになってしまったが、声を聴きながら今までと違うものを感じた」「オーディション時(結果的にのちのシリーズから先に録ることになってしまったが、キスショット=忍役は『傷物語』のオーディションとしてうけていた)、年齢別のキスショットを演じるかたちだった」「TVシリーズでは子供=忍の姿しか演じなかったので、ようやくキスショット本来の姿を演じられたのが感慨深い。続きが楽しみ」

 

 堀江(ゆま「どんな気持ちで演じられたか」という質問に)「(答えるのが)難しいですよね(笑い/神谷「何が?」)いろんな時代になっていくし」「ゴールデンウィークと春休みにスタートするじゃないですか。でもずっと先の時間にとんだりしたので、ここにきて出会いか!って思ったり」(神谷「羽川は(作品全体で)深く物語を描いてるほうだし」)「それを全部やっての「出会いが始まる」ってのは(いいですね)」「羽川には謎な部分がずっとあったので、それを消化してから演じられるのはうれしかった。可愛かった」

 

 櫻井「2011年(笑い)の収録時……鶴岡さんに傷の公開がいつになるか聞いたんですよ。そしたら(→鶴岡「2012年の「16月」じゃないか?」)って」(場内爆笑)「メメってだんだん大人になってきちゃってて(年齢的にはそうなんだけど、いろんなことに気が利くって意味で)」「“バランスがいい人”って意識で収録したらおじいさんみたいになってしまったりとか。そういう深いキャラなんだってことを収録の時に改めて感じました」


 神谷「時間的に早く見たくて最速の試写で鑑賞(櫻井さんの隣で見てた)、凄いものをみたという印象」「化物語を作ってるときに「よくわかんないけどこういう作品なんだ」って。それまで関わってきた作品から『化物語』にたどりついて、アフレコ時になにか新しいものを作ろうとしてるのかなって感じてはいたのですが。で、ゆまさんが「凄いものできちゃった」って」「完パケのDVDで初めて1話を見たとき「なんだこれ?」って感じがした。あの感覚(を味わった)はあの時だけだった」「TVシリーズだと(全77話分、1話からの)土台の積み重ねだが、(最初のエピソードを描いたこの作品では)あの感覚が今回の映画でまた味わえたんじゃないかなって」「声優は目的のない商売。どこが目的地で何をやったら正解なのかわからなくなってしまう。でも今回(『物語シリーズ』を)やってみたら「声優やっててよかった」って思った。今回1作目だから。2作目、3作目とやっていくうちにもっとそう思いたい」

 
 結びの挨拶。登壇順とは逆に。

  櫻井「試写で見てすばらしい体験をした。皆様もその体験を共有いただけたとおもいますので、周りの方にもおすすめしていただければ」

 堀江「ないと思っていたものが(爆笑)映画になってよかった」「本気で怖がれたし面白いと思える作品になっていた」「三本続いていきますので気になるでしょうで、II、IIIができた暁には……ありますよね?」(ゆまさん「必ずお届けしますので!」)堀江「――足を運んで頂ければと思います」

  坂本「舞台挨拶ってキャストを代表してするものなのですが、4人(今回の出演メンバー)全員そろって立てて良かった。私自身何度も確認したくなる、何度も発見のある作品です。しばしお待ちいただければ」

  神谷「TVシリーズ見たことない人って……(一人も手をあげず)」「(時系列で一番最初なので)TVシリーズを見たことない人がいたらおすすめしてください」「その先にシリーズ77話という長い(爆笑)……楽しい時間をお届けできると思いますので」「II,IIIはアフレコ中でして、3本続きますので……どれほどのスパンでお届けできるかわかりませんが(笑)お届けできれば」「三部作すべて完成したら、アニメ史のなかの事件(伝説)になるのではと思いますので、最後までお付き合いいただければ。ありがとうございました!」

(了) 

 

あ、念のため書いておくと、長男と三男がいる(後で気づいた……。さらにまあやも「イヤミつながり」だったw)けど、どうやら場内の九割九分は当然ながら『物語』シリーズのガチファンで埋め尽くされてたぽく、松系のコールは一切なかったです。みんな学校の始業式行ってたのかな。

 

この日この後は新宿の某店でつけ麺(新宿界隈ではかなりうまかった)を食し、海老名に移動してイオンシネマ海老名THXシアターで『スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒』を鑑賞(ここは行く機会があれば足を延ばす価値ありです)→また新宿へ戻り『ガールズ&パンツァー 劇場版』舞台挨拶を鑑賞。→宿へ。

別途こちらもレポートをあげます。

 

(1/18夜、ちょっとだけ読みやすくなるように修正)

2015年ベスト映画

今年は昨年に続き、私ごとが忙しすぎてあんまり映画見られませんでした……。スターウォーズ公開前でだいたいこんな感じ。今年は80本ぐらい見た。

 

1. キングスマン(マシュー・ヴォーン)

2. KANO 1931 海の向こうの甲子園(マー・ジーシアン)

3. ガールズ&パンツァー 劇場版(水島努

4. マッドマックス 怒りのデスロード(ジョージ・ミラー)

5. ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(コーネル・ムッドルッツォ)

6. ジュラシック・ワールド(コリン・トレヴォロウ)

7. BORUTO -NARUTO THE MOVIE-(山下宏幸)

8. ザ・トライヴ(ミロスラヴ・スラボシュビツキー)

9. 22ジャンプストリート(フィル・ロード/クリストファー・ミラー)

10. 幕が上がる(本広克行

11. インサイド・ヘッド(ピート・ドクター)

12. Song Of The Sea(トム・ムーア)

13. ゴーン・ガール(デヴィッド・フィンチャー

14. 劇場版 PSYCHO-PASS(塩谷直義)

15. 劇場版 蒼き鋼のアルペジオDC Cadenza(岸誠二

16. 味園ユニバース(山下敦弘)or 百日紅 Miss Hokusai(原恵一

17. 心が叫びたがってるんだ(長井友雪)

18. ミュータント・タートルズジョナサン・リーベスマン

19. ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション(クリストファー・マッカリー

20. アントマン(ペイトン・リード[※エドガー・ライトのメスが相当入ってる可能性大]) or グリーン・インフェルノイーライ・ロス

 

ただ、本決まりでなく忘れてる映画もたくさんあるので変動するかも。その時はまた新しく記事立てます。

※『ヒックとドラゴン2』は昨年のベストに入れたので除外。

 

(追記)

『セッション』(デミアン・チャゼル)入れるの忘れてた……。今年度でいうとだいたい『ザ・トライブ』近辺の位置にあります。

UFO学園の秘密(今掛勇)

 お待ちかね、幸福の科学映画待望の最新作。 ひっさびさの更新がこれかよ! これなんです。

 

 さて、最初に言っておきます。あなたがもしこう思ったとする。2時間ちょっとの映画を1800円の木戸銭払って見たい?なら、隣近所でやってる『キングスマン』に行きましょう。頭にチップが埋め込まれる映画なら断然あっちのが面白いです。

 学園もののアニメが見たい?なら『心が叫びたがってるんだ。』『リトルウィッチアカデミア』もやってます。タダ券をいただいた?なら、差し上げてもらった人には申し訳なくとも、金券ショップに持ってって換金したぶんで缶コーヒー買って飲むのが一番有意義です。

 というわけで覚書き。酒飲みながら書いてるのでいろいろおかしい部分あるかもです。

(追記)なお、宇宙人に関する設定は幸福の科学独自のもので、非常に説明がめんどくさいものなのですが、これは「破壊屋」さんというサイトがだいぶ前にくわしく解説してくださっていたので無断転載させていただきます。

hakaiya.com

 今回、一応画面の細々から、キャラデザはもろに『あの花』、キャラの目の書き方や影の処理の仕方やエフェクトは京都アニメーション作品を意識しているのがわかるもので、実際シャツの袖をブレザーの隙間から引っ張るとか、体育館で学祭の出し物やってる時のけだるそーなあの感じとかざわざわ感とか、京アニがやりそうな動作をやってる箇所があって、そこは感心しました。ちゃんとマーケティングしてるってことだもんね。

 ……んだけど、これ、それ以外は本当に退屈なんだよなあ。

 

キャラデはこんな。

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なお、あの花は。

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 まあ、UFO学園のポスターのほうの、センターがじんたん、ロンゲがぽっぽ、茶髪がゆきあつ、ストレートヘアがつるこ、残った灰色の髪の毛があなるみたいな感じ。めんまは?……ご安心を。本編にちゃんと出てきます。 

 申し訳ないけど、キャラの名前を忘れたので、以下『あの花』の超平和バスターズのキャラにあてはめて書きます。

 

 じんたん、ゆきあつ、ぽっぽ、鶴子、あなるの5人からなる超平和バスターズは、あなるの妹のめんまの体調異変をアナキン・スカイウォーカー浪川大輔声の人)が、医療現場にでてくるものとは程遠い言葉をつぶやきながら診察した現場に立ち会ったのをきっかけに、ぽっぽの(アニメ雑誌と隠されたエロ漫画・エロゲにかこまれた)秘密基地部室で、間近にひかえる班の研究発表の題材に、宇宙人を主題として研究を始める。という話。

 で、そのあとアナキンが学校の講堂で演説を始めるのだけど、フィボナッチ数列や五芒星で黄金比について話しているところに占星術ネタがしれっと混じる。 

 序盤、いきなりなんの脈絡もなく、屋外の原っぱでじんたんとゆきあつが二人寝っころがって星を見上げるBLなシーンがはじまるんだけど、そこで将来の夢とか語り始めるんだよね。するとじんたん「自衛官になろーかな。自分の国くらい自分で守れねーと」とかいきなり右翼的な発言を始めるのだ。間髪入れずにゆきあつ「じゃあ俺はUFO作るわ。それで特攻だな(大意)」みたいな会話を始める。おい。 

 そうこうしていると、ゆきあつが寮の付近で怪しい人影を察知。ビデオカメラ片手に怪しい人たちを追いかけて、なんか成り行きでUFOに吸い込まれる。

 で、超平和バスターズが研究発表の準備を進めている教室へあっさり戻ってくるとそれを超平和バスターズに報告し、「ワープするときあの世を通るんだぜ」とかいう幸福の科学流トンデモ理論をつらつら述べると、超平和バスターズはそれをもとに研究成果をかためていく。

 しかし、研究発表でのプレゼン前に学園内に忍び込んだ敵にデータを消去されてしまい(ノートPCのHDDにそのまま保存していた描写あり。「プロ」発言までしているわけだけどバックアップ以前にパスワードどうなってんだよ!)、研究発表時に資料がなく、誰にも信じてもらえない。プレゼンを見ていた校長先生は激怒して壇上に。どうする……

 そのとき、ビデオカメラの伏線を無視して宇宙人に校長先生とじんたんをさらわせるのである。ちなみにあのビデオカメラは今後一切顧みられることはない。

 さらわれたじんたんは月の石(21世紀チルドレンへの配慮として校長先生「1970年に大阪万博で見たのと同じ奴だ」という説明台詞つき)をもらい、それを超平和バスターズの部室へ持っていくのだけど、「こんなものもってるのNASAか博物館ぐらいだ」とぽっぽに言わせておきながら、そんな大事なものを保存してるのが道具箱+缶の中!しかも鍵をかけずに!で、案の定誰かに盗まれる。アホか!!!!!! で、疑心暗鬼に陥る超平和バスターズ。いきなり「私がやったのよ!宇宙人に洗脳されたから!」とか言い出し泣き出してそのまま行方不明になるめんま。これにくらべれば成瀬順なんてメンヘラどころか全然マトモすぎる。 

 

 まあ1日で仲直りするんですが(ぶっちゃけ本編ではだいたい5分で元通りの仲になっている。関係の修復に5年近くかかった本家超平和バスターズェ……)で、アナキンの助力で宇宙人とコンタクトとろうぜ、という流れになるのですが、これが何の障害もなくあっさり成功する(これシナリオ的に問題だよなあ。普通に序盤の診察シーンあたりで「交信が難しくてね」ぽい台詞ひとこと言わせて伏線張っておけばよかったのに)。

 

 そこで超平和バスターズはどっかの宇宙船に移動させられる。そこでぽっぽ(アニヲタである)がジャージャービンクスみたいな言動を繰り返すハエ(ウンモ星人とかいうらしい)に「ミーはユーがエロアニメや同人誌でせんずりこいてるところとか観察してたの」(意訳)って言われてキレるシーンは本作で一番おもしろかった部分。

 というか、品行方正のつもりかしらんけど、登場人物の発言が萌えアニメより不自然なものが多すぎる。キモとか死ねとか悪い言葉ふつうに使えばいいのに「変ねー」とかで済ませたり、相手をバカにするときに「ワレワレハ宇宙人ダ」とかいう懐かしギャグ使う感じ)で、このジャージャー、「私も日本のアニメが大好きなんです」って言っておどおどした挙動をとりまくるという、オタクを戯画したキャラクターになっている。(まあさんざんオタクに自分たちのアニメボロクソに言われてるわけだから気持ちはわからんでもない) 

 そして訪れる幸福の科学映画でおなじみの説法シーン。一応あるにはあるのだけど、前作までみたく子安武人今回は未出演。何故!?)に長時間演説させる芸のない行為から、一転して登場人物の子供の姿にいろいろ言わせるという、ちょっとした工夫がみられるんだけど、それがなんか自分たちのいる場所がバッヂに触れる聖水をぽたりと地面にたらすとさまざまに情景が変わるという、今年最低の映画『トゥモローランド』を思わせるシーンで、逆にいらっと来てしまった……。

 

 で超平和バスターズが説法の後に自分が何をやりたいかって語り出す(あの花のラストみたいな展開になる)んだけど、あなるが宗教の勉強をしたい、つるこが映画を撮りたい、ぽっぽが教師になりたい(「おもしろいキャラ持ってるやつを世界中に発信したい」っておっしゃいますがあなた絶対幼女目当てうわなにをするやm)、とか幸福の科学が手を出してる部分のメタ的な言及を行いはじめたときは困惑してしまった。で、じんたん「この星をまもれるなら命だって惜しくない」と前半の特攻賛美から何も変化しないメンタルをもう一度あらわにする。だが批判してくれませぬように。大川隆法に全てを捧げて死ぬというのは、この上ない幸福の科学映画の理想の主人公像なのです。

 

 で、まあ紆余曲折あって悪玉UFOと宇宙人の襲撃があって、ようやくこれまでのすごくのっぺりした展開からスペクタクルシーンに変わるのか!と思わせてくれるまではよかったのだけど……(また悪玉宇宙人のUFOがトゲトゲした、悪玉ですよーってまるわかりな……。ちなみにこれ、エフェクトのかけ方とか、ちょっと劇団イヌカレーオマージュが入ってました)。

 ちなみに敵が校庭でアジってるときの旗が京大にあるような学生運動の共産系の表記なのはお察し……。ストレートすぎる。

 そこにみんなが集まって「私は大事なことを学びました」とか一人ずつ敵の前に出てこぞって言い出すわけですが、そこで最初の用務員だった男が実は宇宙人でした、という予想通りの展開になって、「この国を中国に売り渡してアメリカに戦争を仕掛けるんだー」と言う。

 

 すると、超平和バスターズいきなり別世界に閉じ込められる。そしてそこで敵に囲まれると、なんの伏線もなくじんたんがいきなりデビルマンになる。……いや、マジなんです。

 デビルマンの力といきなりなんの脈絡もなく宇宙人に変身した教師の力と大川隆法への祈りで現実世界へとなんとか脱出。

 で、このオチがこのあとどうなるのかと思ったら「みんなで大川隆法に祈ればなんとかなるでしょ」で、本当にそうなってしまうのである。で、宇宙人が「まさか学園内に善玉宇宙人が忍び込んでたなんて―」ってあっさり敗北して捨て台詞吐いて逃げる。

 ゆきあつ「アナキン教授、宇宙人だったんですか!?」 アナキン「人間風情の技術で幽体離脱装置なんてつくれるわけがないだろ」(大意) で、角の生えた宇宙人とメーテルっぽい宇宙人に超平和バスターズがなんか未来を託されてTHE END。

 

 それで終わりなのかなとおもったら、エンドクレジットが始まる前に、英語タイトルの横に「Part 0」とか出てきて、砂嵐が画面を覆い尽くすと、悪玉宇宙人の親玉っぽい人(中国人……ていうか、モロに習近平なんですが)が「(アメリカ大統領につなげ、)……ニイハオ」と言って終わる。これ『アベンジャーズ』とか『キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー』のオマージュのつもり?それとも本当に次回作はこれの続編でいこうと考えてるのか……。

 

 スタッフ・キャストのメインクレジットは幸福の科学関連施設の名前以外ほぼすべて英語(なんの配慮だよ……)ただし、幸福の科学映画降霊の協賛企業はすべて日本語クレジット。(バックに流れるのはなんと幸福の科学学園校歌フルコーラス。プロダクトプレイスメントで校歌を流すって映画史上初ではないだろうか) そして、何よりもショックだったのがマリエッティが端役でご出演されていたことである。ウサミン星の経済事情がしのばれる。

 

 後日整理するかもです。てゆうか、ちょっと歩けば近くの映画館で『心が叫びたがってるんだ。』も『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』もやっているというのに何を見てるんだ俺……orz あ、この2本はおもしろかったです。『リトルウィッチ~』の限定BD、欲しかったけど初日行けずに買い逃してヤフオクで相場2万になってるのを指をくわえて眺めてるよ……。この文章をしたためるガソリンはそれなのか……?

 

ところで後から気づいたけど、これ『ペギー・スー』からプロットいただいたやつじゃねーのか……?

 

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)