Kokone-works

好き放題に、「お酒を飲んだ勢いで」。 サークル活動、はじめました。「ここだけネバーランド」というサークルの主催です。 

忘備録

いろいろ映画を見たものの忘れそうなので数行ほどの感想を。

『テッド2』(セス・マクファーレン)

あれ?おもしろい。 テッドと前作のラストでアナルセックスしてたタミの二人結婚したはいいけど低所得+倦怠期突入で夫婦喧嘩。テッドは子供つくってやりなおそうと画策するも、ヨメさんが薬のやりすぎで子供産めない身体になっちゃった。……てなもんで養子をとろうと考えたものの、テッドが政府から「人」として見なされずかかる職も権利も剥奪されて、サンダー・バディ・ジョンと新任のブロンド弁護士とともに政府と戦うことになる……という話。「人はいかにして人たりえるのか」という『火の鳥』のロビタ的なテーマ(本来コメディとの親和性がかなり低い)がメイン・プロット。前作と同じに『素晴らしき哉、人生!』を見ておくといいかもです。しかしブロンド娘って全っ然映画見てねー(ただしスーパーマンだけ知っている)、とか、低所得者へのドライな対応とか、PC破壊やコミコン荒らしとか、対象物への怨恨がすさまじいです。あとこれ、日本で当たったのはクマのぬいぐるみのインパクトもさることながら登場人物が『ドラえもん』のキャラクターイメージと重なったからだと思うのですがどうでしょう。ちなみにあのパパが○○を買いに来るシーンは笑いました。

 

『劇場版 弱虫ペダル』(鍋島修

何故か作為的に貸切状態の新幹線で、インハイ編で総北に負けたメンバーが次々と顔合わせするシーンは笑えたんですが、レースで箱学メンバー以外適当に処理されていくので残念(90分ないんで仕方ないでしょう)。原作の坂道と巻島の離別を差し挟みつつ物語は進行、しかし離別は原作(とTVアニメ)の今後にかかわる一番大事なエピソードなのになあ。たとえテレビアニメでやることを捨ててでも、巻島と坂道の別れをクローズアップして描くべきだったかもしれない。どうせこの部分今回やったならテレビの続きでは飛ばされるだろうし、テレ東もスポンサーなんだから3期前に放送とかでもいいじゃないすか。 原作では確かに巻島の依存から立ち直るまでにかなりの時間を有するのですが、この点「原作通り」を意識しすぎてると思います。TVシリーズでも構成をつとめておられる吉田玲子先生、このてのジャンルがすごい巧い人なんだから、『ARIA』『けいおん!』ぐらい思い切って脚色してしまってもよかったのになあ。映画としては、坂道自身の問題が解決していないからどうもしっくりこないんだよね。どうでもいいかもですがこの映画のおかげか神楽坂ゆか2ndコンサートで「恋のヒメヒメぺったんこ」(アニメ版)歌唱。ありがとうございました。>ゆかたんと関係者一同・ペダルスタッフキャストの皆様。 なお、私は真波君が好きなので個人的にこの劇場版眼福でありました。

 

 『ひつじのショーン バック・トゥ・ホーム』(マーク・バートン/リチャード・スターザック

TVシリーズ未見のまま(というか、やってたことを知らないまま)、アードマンの新作アニメということで劇場へ。登場人物たちがその表情と身振り手振りで状況を示すサイレント活劇なので見ててひたすら楽しい映画でした。エンドロール後の「おわりやから帰ってええよ」とスマホで笑う。

 

『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』(山下宏幸)

岸本先生をはじめとするメインスタッフ、「映画」のストーリーテリングと脚本に関して相当綿密な勉強をして書いていらっしゃる。テーマ自体はジャンプ三大原則(努力・友情・勝利)賛歌で、近年のラノベやネット小説(ハーレムとか状況説明がタイトルになってるほとんどのもの)に代表されるどうしようもないゴミみたいなストーリーテリングの跋扈に対する回答でもあったかもしれない。忍術を使うと敵に能力を吸収されるという設定を活かして体術で戦うシーンが多くを占めるのですが、なんとここのアクション作画、あの133話のアクションシーンを描き上げたスーパーアニメーター松本憲生御大が絵コンテ・演出・作監まで手掛けリミッター解除しての大暴れ。これだけで入場料金のもとがとれるどころかおつりがくるレベル。今年のアニメ映画のベスト3に入ります。


Norio Matsumoto(松本 憲生) NARUTO MAD - YouTube

 

進撃の巨人 ワールド・オブ・エンド』(樋口真嗣

 爆弾が爆発する話、とあれば、あとは炎の手練れ、樋口監督・尾上特技監督の独断場。歌舞伎の外連味。これが見たかった。……と求めているものがそれだけだったので自分は満足しています。進撃の巨人の実写版であるとか、お話とか、それ以外の善し悪しはじつはどうでもよかったりしています。ただ、今回のラスボス倒せばいいんでしょ、という流れは強引過ぎたかもしれない。あといきなりシキシマが[実写版エレンの生き別れの兄(ターザンやってた)]って設定になってるのはなあ……ここはドラマとして大事な部分だったろうし、なればこそ中盤の離反だって盛り上がったでしょうで、せめて前篇に伏線を仕掛けてほしかった(これ、言及はされてないけど設定・描写的にそうなってます)。

 

『ピクセル』(クリス・コロンバス

 ダメ男たちが宇宙人とゲームで勝負!という『ゴーストバスターズ』みたいなくっだらない他愛もない馬鹿話。最高。80年代生まれではないので映画内のポップカルチャーには完全に疎いのですが、ゲーム自体は大好きなので、楽しかったです。これオタクがリアルに描かれてて、たとえば歯磨きしない、コミュ障、吃音陰謀論大好き、二次元に恋する男……etc。僕は当事者(歯磨きと風呂は欠かさないけど)なのですが、おかげか一歩ひいた目線で生暖かく見られておもしろかったです。カルチャーギャップとしての悲しさに、「もうCoD(よく覚えてないので間違いの場合はご指摘を)は古いゲームだ」。アーケードはもはやゲームではなかったのか(まあ僕の時代でもアーケード版ドンキーコングは64版、パックマンはPS版で初めて遊んだしなあ)……。

ラブライブ!The School Idol Movie(京極尚彦)

(9/2 前半に一部・後半追記及び名称のミスを修正しました。失礼いたしました。)

※この劇場版を神とあがめる方はこの記事をそっ閉じされることをお勧めします。今回はかなり酷評しています。念のため私の身の上を説明しておくと、TVシリーズ1期をリアルタイム視聴してるうちにラブライブ!にはまっていった人間で、本作はつごう12枚前売を買う程度に楽しみに待ち、4th以降のライブに参戦し、この記事を書いてなお、6thを心の底から楽しみにしている『ラブライブ!』、μ’sファンです(いろいろ兼任はしてるけど)。そのうえで、いや、だからこそ書きます。国内全ての映画評論家が、興収30億にとどきそうと言われている作品であるにもかかわらず本作に見向きもしない態度を取ることを選択した以上、書かざるを得ないでしょう。出来に関してもそうだけど、世間での態度が「ラブライバー/アニオタってキモチワルイ」というバイアスがかかった状況から、評す側も評される側もなにもしようとしない人々ばかりって状況が悲しい。この文章をしたためるための燃料はそれだ。『エピソードI,II,III』を見た後の気持ちがまたぶり返すとはおもわなかった。 

もうさんざ配られた特典もほぼ終了してますし、その特典の回収もラブライバーの皆さんは大方すんだろうし、『ラブライブ!』を知らない人で「今からこれを見よう」と思う人もいなさそうだし、もうこれ以上ネタバレに配慮する必要はなさそうなのでいろいろと書きます。何度かわけるかも。

9/4 続きを読むを押すと開く仕様にしました。

続きを読む

キングスマン(マシュー・ヴォーン)※9/11公開 ネタバレ注意

すばらしい。 ● おおよそ誰もかれもが、子供のころに読んだ漫画(私はコロコロ世代なのですが、『Bビーダマン』とかドラえもんの『南海大冒険』とか原恵一監督の『クレしん』映画)に感化されて、自宅の地下や、南の島の山の中(あるいはバミューダトライアングルの真ん中とか海底とか南極の真ん中)に秘密基地の建造を想像し、自由帳に描いたはずである。 ● たとえば、木造のコテージがあって、中に入ると暖炉や書斎の裏に秘密の階段があって、そこをくだると踊り場と行き止まりしかないが、どこかにエレベーターの隠しボタンがある。それをポチッと押すと、部屋のエレベーターが下へ、下へと動く。そのうち木の壁がコンクリ張りのものに変わり、地下に降りると岩肌と鉄筋にかこまれた、『レイダース』の倉庫もかくやの超巨大空間がぐわんと広がっている。巨大コンピューターのサーバーもかねた巨大な円筒が中央にそびえたち、飛行機、潜水艦、種々様々な乗り物が並び、秘密の研究をしていたり、おいしいもの食べたり、テレビゲームしたり、世界を飛び回ったりしている。もちろんスパイ活動もしていて、指令を受け取るのはきまってジャグジーに浸かっているときである(オイ) ● で、最近のスパイ映画が『5代目007』シリーズや『ダークナイト』『ボーン』『24』シリーズの大ヒットでポリティカル・サスペンス寄りの作品が多くしめる中、この『キングスマン』は、私の、いやみんなの子供のころの楽しかった夢想が強調して描かれた、久々のスパイ映画でした。(そんな映画は『チーム・アメリカ』『アイアンマン』以来です。なお、左作同様にキングスマンは毒入りの映画です) ● いや、テーラー店の試着室がまるまる巨大エレベーターになってて、地下に降りると『空飛ぶゆうれい船』にでてくるような動く椅子とチューブがあるんですよ。それに乗ったらすごい速さでキングスマンの秘密基地へ向かう、というのがあって、これ、かつてのロジャー・ムーア路線の『007』のパロディのはずなのになんかわくわくしちゃってさあ。そういうのが好きな人には、無条件でお勧めします。『レイヤー・ケーキ』から『X-MEN ファーストジェネレーション』に至るまで作中にその偏愛の片鱗を作品のなかににじませてきたマシュー・ヴォーンがついに撮りあげたスパイ映画。『オースティンパワーズ』とかで旧ボンド映画の面影を追っかけてきたり、原恵一クレしん』のジャケットを見るだけでコメディとわかっていてもアンテナが反応してしまような諸兄がたにとっては必見の傑作。(以下、ネタバレありです。封切りまで間があるので、続きはゆっくり追記していきます)

続きを読む

C88お疲れ様でした

今回の頒布物『八神家のペットなドラゴン Re:take ver.』ですが、持って行った冊数分、完売いたしました。ありがとうございました。冬コミで追加増刷して持っていこうかと考えています。

 

あと冬コミの申し込みも完了しました。次は新刊オフセット印刷で出せればなあと思います……。

C88告知

f:id:power_medicine:20150814232105j:plain

 コミックマーケット3日目に「ここだけネバーランド」で出展いたします。

 ブースは東地区“へ”37bです。

 領布物は『八神家のペットなドラゴン Re:Take Ver.』です。(本当は映画本一冊出そうとおもったのですが間に合いませんでした……。とりあえず、ブログ紹介ペーパーを配って、こつこつブログを更新していければなあ、と)

 

 一部100円ですが、既刊『八神家のペットなドラゴン』をお持ちの方には無料で贈呈いたします。なお、既刊のほうは刷った分をすべて配り終えてしまったため、以後の配布予定はございません。ご了承ください。

進撃の巨人 前篇(樋口真嗣)

設定の変更は、物語が面白くなっていればかまわないでしょう。あのアニメ版を前に原作に忠実に、というのは分が悪すぎるというのもあります。ところで、その改編で、原作の恐怖感を超えていたと思った箇所が一か所だけあったので。 ● 一子の母親であった女が調査兵団に入団して、廃墟と化したウォールマリア農地(追記:ウォールマリアとは言ってませんでしたね……)に兵団とともに戻る。そこで、建物のなかから、おぎゃあ、おぎゃあ、という声を聞き、母親の本能がその足を建物のどこともしれぬ暗がりへと向かわせる。血相を変えて暗闇へ向かう女をエレンが、明かりをもって追いかける。奥へ奥へと進んでいくと、赤ん坊の声が止む。そして壊れた排水溝から水が垂れるじめじめとした屋内で、二人はねばねばとした物体を浴びる。彼らが上を向くと、泣き声の主がいた。――赤ん坊の姿をした巨人が、耳まで裂けた口を開け、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」とうめき声をあげ、泣き叫び、襲いかかってくる。 ● それまでに舞台挨拶にふんどし一丁で行脚する井口昇とか、コスプレボクサー長嶋☆自演乙☆雄一郎とかの巨人を見てるから、この人たちがハヌマーンみたいに人間をつぶすとかやってる情景を見ておもしろがっていたところにこの落差。ここは原作を超えていたかも。(原作の、というよりは梅図かずおとか永井豪漫画の怖さに近い) ● 一応原作では巨人はもともとは喰われたはずの人間であることが示唆されているけれど、赤ん坊型がでてこなかったのはなぜか。ということを考えると(単に赤ちゃんが喰われる描写がなかっただけかもしれないけど)。 ● 女型の正体がミカサ、大型の正体がシキシマで、流血鬼みたいな「巨人になってみたら、こんな明るい世界だったなんて!」オチになるのだけは避けてほしいところ。映画が夜のシーンばかりだったので思いついてしまった。許してください。特撮はさすが『ガメラ3』を作った男の映画です。煙の描写、重量感、造詣……『ローレライ』で単独監督デビュー以降、樋口真嗣が長編作品として初めて取り組む怪獣映画なのです。キモ入りで作ってるだけあって迫力満点。樋口特撮における大見せ場「炎」の真価は後篇に期待。 ● で、日本映画とハリウッド映画がどうたらこうたらというのがtwitter上のこの映画スタッフ(巨人の特殊造詣(メイクとか)を担当した西村さん)の発言でいろいろ話題になってるけど、それ語るならまず、「歌舞伎と西洋演劇の所作の違い」の話からはじめないといけないから、結構ややこしい話なんだよな。 ● 桜沢ななみのハンジが本当に原作やアニメのハンジがコマやテレビ画面からそのまんま出てきたような演技ですばらしいです。で、本編では長谷川博巳さん演じるシキシマってキャラですが、これ絶対及川光博キャスティングするつもりで作ったキャラではなかろうか。あと、エレンに人妻のおっぱいを触らせるのは町山智浩らしい発想であると思います。 ● なお、現在のPG12の基準はグロ描写において人体の切断面、エロシーンにおいて恥部を直接描写していないこと、と聞いた気がする。ギリギリクリアできてるんだよなあ。 ● ただ、苦言を呈すと、エレン・ミカサ・シキシマをそれぞれアダム・イヴ・サタンの関係、とブログやラジオで言及したうえで、リンゴを放り投げるシーンや、善悪の彼岸のあの有名なフレーズをそのまま口に出すって、これは町山さんが一番嫌っていた類の演出な気がする……。キャラの設定変更はべつにいいんだけど、壁が人間が作ったものであることにされている(原作では巨人が作った可能性が示唆される)こと、移動手段が馬ではなく車になっている(一応巨人に対抗する手段として馬がもっとも効率的であるという設定があるうえ、映画にはテクノロジー批判まで出てくる)ことがなぜなのか後篇でちゃんと説明してもらえるのだろうか。あと、廃墟でミカサの心情をピアノの音色で表現する、というのは、まわりにうようよ巨人がいるのにんなことやって大丈夫かよ、と思ってしまった身でもあるのですよね……。伏線の可能性があるので現状では何とも言えないのですが(追記するかも)

Love Live The School Idol Movie referenced titles

とりあえず、ラブライブ!The School Idol Movieが作中「言及している」と感じた作品を浅知恵からピックアップ。本当はもっとあるはずなのですが、くみ取れず……。どなたか、この作品と関連性があるのでは?と思ったものをもっと教えてください。あるいは、この作品は深読みじゃね?という方も意見を寄せてください。

 

『CATS』(原作詩:T・S・エリオット/戯曲:アンドリュー・ロイド・ウェバートレヴァー・ナン)。今となっては複数パターンあるのだけれど……

 『CATS』においては会場は舞台上はおろか客席いっぱいにまで飾り付けが施されています。「SUNNY DAY SONG」のセットのモチーフかなと。

ティファニーで朝食を』(原作:トルーマン・カポーティ/映画版監督:ブレイク・エドワーズ 主演:オードリー・ヘップバーン

 穂乃果が言及。あと、花陽がレストランでご飯食べたいとわがままをいいつつパンをかじるシーン。

カサブランカ』(マイケル・カーティス)

 「As time goes by」が歌われているのに加え、いくつかの名言の引用符がある。

天使にラブソングを』(エミール・アルドリーノ

 ちょっと忘れたので後日追記。

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(幾原邦彦

 「僕たちはひとつの光」セット。ステージの足元にたくさんの花がうかぶイメージが、「時に愛は」の薔薇に満ちたダンスシーンと重なる。

『映画 けいおん!』(山田尚子

 機内の窓を開けて、雲の草原を見渡すシーン。ラブライブ本編では、μ'sが真に女神として地上に降り立つという含みがあります。

glee シーズン2 22話』

 合唱部が決勝でニューヨークへ行ってしどろもどろする、という話。でもラブライブは全体的に時々引用のラインを越えてやりすぎてる感あるから自重しろ。

 

思いつき次第追記します。

なお、穂乃果がアメリカで乗った列車は、ブルックリンの方角へと向かい、ブロードウェイへと行ってしまう。どうでもいいか。

 

ヘシオドスの『神統記』はどこまで引用を確信していいのかがあいまいになってしまいます……。女神の人数構成だけ参照した感もあるので最悪読まなくていいかもしれない。